ヨガはひざ関節の痛み・機能改善に効果的
変形性膝関節症は、日本国内に限っても患者数は約700万人という一般的な疾患です。また、40歳以上の男女の6割が罹患しているというデータもあります。なお、どの年代でも女性の方が男性に比べて1.5-2倍多く、高齢者では男性の4倍といわれています。加齢とともに発症しやすく、中高年の女性に多くみられます。(Wikipediaより抜粋)
Yoga for managing knee osteoarthritis in older women: a pilot randomized controlled trial. BMC Complementary Alternative Medicine. 2014, 14:160. Cheung C, Wyman JF, Resnick B, Savik K.
変形性膝関節症に対してヨガ(アサナ)が有効であるか試験が行われました。試験参加者は女性高齢者36人で平均年齢は72歳です。膝の状態確認の検査は合計4回行われ、時期としては試験開始前と4週間後、8週間後、20週間後に実施されました。
ヨガ・プログラムはインストラクターによる指導と自宅練習の2種類が行われました。インストラクターによる指導は第8週目までで、週1回60分行われました。自宅練習は第20週目までで、週4回各30分行われました。
その結果、1)痛みに関しては4-8週間後に有意差が確認されました。2)膝の機能改善に関しては4-20週間後に有意差が確認されました。3)睡眠に関しては4-20週間後に有意差が確認されました。また、ヨガ関連の有害事象は観察されませんでした。
何故ヨガが有効なのかに関して、論文中に以下の記載があります。
「ヨガの練習をしている時に繰り返される関節の動きが、細胞レベルで生理学的な影響を持つと考えられる。ハタヨガはヨガのポーズ、呼吸法、瞑想が組み合わされており、これらは変形性膝関節症に関連のある骨格構造を再調整し、関節の周囲の筋肉を強くし、堅い関節を引っ張ることによって痛みや堅さが低減する。」、「ヨガの練習で頻繁に起こる関節の動きは、細胞レベルで生理学的効果があると考えられる。in vitroでの炎症性インターロイキン-1 zand腫瘍壊死因子の産生は、断続的な低レベルの液圧下で減少する事が確認されている。ヨガの動きは関節の液圧を低下させ、その結果、固定化によって失われると思われる軟骨が保存される。」
これまでは、ヨガは関節炎の管理に勧められるものですが有効性を示す十分な文献がありませんでした。論文の著者は次のように結論づけています。変形性膝関節症を持つ女性高齢者にとって、今回の頻度(週1回+自宅練習)で行うヨガの練習は実行可能であり、容認でき、安全であり、治療効果も示された。
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