陰ヨガの効果

以下は、2018年に報告された陰ヨガ効果を評価した医学論文になります。論文中では陰ヨガとマインドフルネスが組み合わせると相乗効果ありと記されています。

医学論文で報告された陰ヨガの効果

Five-week yin yoga-based interventions decreased plasma adrenomedullin and increased psychological health in stressed adults: A randomized controlled trial. Daukantaitė D, Tellhed U, Maddux RE, Svensson T, Melander O  PLoS One. 2018 Jul 18;13(7):e0200518.

背景

非伝染病(NCD、例えば心臓血管疾患)は、高血圧罹患率および世界中の早期死亡の大部分を占めています。そして、NCDに関連する危険因子を減らすことができる予防的介入(インターベンション)の開発が必要とされています。研究者達はアドレノメデュリン(adrenomedullin, ADM)と呼ばれるバイオマーカーがNCDの発症前に上昇し、それらの発達において重要な役割を果たす可能性があると考えるようになりました。 ADMはまた、NCDの既知の危険因子であるストレス、不安、うつ病などの心理的問題に関連しています。

このランダム化比較試験では、対象は身体的に問題が無く、中程度~高程度にストレスを持つ中年男女で、5週間のヨガの介入(インターベンション)がADMを減少させ、心理的健康を高めるかどうか試験しました。

パピーレストのポーズ

方法

105人の大人(78%女性;平均年齢= 53.5(SD = 6.7))をランダムに以下のプログラムに割り当てました。(1)陰ヨガを5週間行う。(2)陰ヨガとマインドフルネスを5週間行う。(3)何も行わなかった比較対照群。

結果

5週間前後では(1)陰ヨガのみ行ったグループ、(2)陰ヨガとマインドフルネスの両方を行ったグループの両者は対照群と比較した場合に、プラズマADMレベル(p < .001)、不安(p .002)と睡眠問題(p .003)の減少に関して優位さが確認されました。

さらに、(2)の陰ヨガとマインドフルネスのグループは対照群と比較して、ストレス(p = .012)と落ち込み(p = .021)に関してより大きな減少を示しました。

結論

5週間の陰ヨガ・ベースのプログラムは、NCDと関係していることを知られている生理的な危険因子と精神的な危険因子の両方を減らすように見えました。

高ストレスと関連する健康への悪影響を抑えることに関して、陰ヨガを取り入れることが簡単で低コストな方法であると研究は示唆します。

陰ヨガとは

穏やかな静止ポーズをじっくりキープすることで深部の緊張・硬さに働きかけます。力を抜くことが目的のリラックス効果の高いヨガです。

キャットテイルのポーズ
運動量 痛み・苦しみ 筋量増加 柔軟性 元気になる ストレス解消 リラックス
一般的なヨガ ★★★ ★★★ ★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★
陰ヨガ ★★★ ★★ ★★★

アドレノメデュリン(adrenomedullin, ADM)とは

アドレノメデュリンは、1993年、寒川、北村らによってヒト褐色細胞腫から同定された52個のアミノ酸からなるペプチドです。副腎(adrenal gland)から見つかったということでアドレノメデュリン(adrenomedullin)と命名されていますが、主として血管から分泌され、血管を拡張させる働きをもつ血管作動性物質です。

アドレノメデュリンは、血管をはじめ、多くの組織で産生されます。アドレノメデュリンは当初、血管拡張作用を有する物質として注目されましたが、その後の研究から、細胞の遊走、分化制御、内皮細胞再生、抗炎症作用、体液量調節作用、強心作用など多彩な生理活性を持つことが分かってきました。研究は多領域にわたり、過去10年間(2018年の時点で)で関連論文は1500本以上報告されています。正常濃度は1±10pMであり、高濃度の状態では心臓血管疾患やガンは後期ステージに移行しやすいと考えられています。

スフィンクスのポーズ

下のシェアボタンで他の人にも教えてあげよう

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)