怒りのコントロールは肉体を感じる事が第一歩

今回は「怒り」をコントロールする術(すべ)について説明していきます。怒りはパワフルで何でも壊してしまいます。コントロールを身につけないと人生いろいろ壊れます。

気持ちの良い人生を生きる為に「怒り」の感情コントロールを身に付けましょう。

ビジネスの世界でも怒りのコントロールは課題の様で、書店には「怒りのコントロール」に関するビジネス本が多数並んでいます。

私がざっと目を通したところ、理論的思考によって怒りを収めるという方法が主流のようです。

私が今回ご紹介するのは、ビジネス本には載っていない方法です。

ビジネス本では「考える」で怒りをコントロールしますが、今回の方法では「感じる」で怒りをコントロールします。
今回の方法では「怒り」を身体に宿るエネルギーの一種として、感覚として捉えます。「考える」は生物として高次の機能ですが、「感じる」は低次の機能です。強い「怒り」の場合には高次の機能は停止しがちですが、「感じる」は原始的なので機能します。

怒りにも種類や程度が色々ありますが、一番問題なのは、実際に怒りを感じた瞬間に身体が勝手にリアクションをとってしまうことです。

問題: 駅のホームで人がぶつかってきた。
結果: 次の瞬間に手が出ていた!

問題: 服装の悪口を言われた。
結果: 次の瞬間に罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせていた。

この「身体が勝手に反応してしまう」が最もいけません。
まずは、この身体が勝手にリアクションをとってしまうのを止めましょう。

感情が身体を乗っ取ることが可能なのは、神経回路のようなエネルギー的なパターンが出来上がっているからです。しかし、大丈夫です。これから行うエクササイズを習慣化すれば、あなたは回路を組み替えて自分の意志によって「怒り」という感情をコントロール出来るようになります。

既に身に着けてしまった習慣を変えるのは容易ではありませんが、毎コツコツ積み上げて習慣化しましょう。

現在の回路は以下のような感じです。怒りを感じたら、怒りのその強いエネルギーを身体の外に出したいという欲求が生じます。それを実行するのが「正しい」と信じています。または、それが当たり前すぎて、怒りのエネルギーを感じたり、それを身体の外に出すという感覚はもう省略されてしまい意識に上らなくなっているかもしれません。

回路を切り替えていきましょう。
怒りを感じたら身体のどこかが反応するはずです。その感覚をきちんと脳に伝えて、どんな感覚か味わってみましょう。
「怒り」のコントロールには、「怒り」のエネルギーが身体のどこにあり、どのように動くかを観察する必要があります。怒りを精神活動としてでは無く、身体に宿るエネルギーの一部として認識します。

身体を感じることによって、意識が感情に乗っ取られることを防ぎます。「怒り」は身体の中にあり、「私」がコントロール出来るエネルギーの一部だと認識することが第一歩です。そうすることで、解決の糸口をつかむことができます。


「怒り」のエネルギーはパワフルです。それを身体の中にキープするのは楽ではありません。しかし、あなたが人生の次のステージに成長するためには必要なステップです。

このトレーニングは、「怒り」の記憶を追体験し、その時に自分の身体が「どのように反応するか?」「どのような感覚があるのか?」を詳細に観察する事にあります。この観察を定期的に何度も繰り返す必要があります。その目的は怒りの感覚を熟知する為です。

これにより「怒り」を感じた後、1つの行動が実は2つの行動であった事に気が付きます。それは、(1)怒りの感情それ自体を感じる事、(2)怒りのエネルギーによって行動を起こす事です。詳しくは後程説明します。

それでは「怒り」をコントロールするエクササイズを始めていきましょう。

一人でリラックスできる場所を用意して下さい。近所の公園や河川敷、海岸などでも良いですし、自分の部屋や車の中も良いでしょう。

怒りを感じた状況を思い出して記憶を再生してみましょう。十分な怒りを感じた記憶を呼び覚まします。

この時に自分の身体にも意識を向けてみましょう。怒りを感じている最中に意識の一部を身体に向ける事は簡単では無いかもしれません。ですが、最初の1回、2回で上手くいかなくても諦めないで下さい。皆、最初は苦労します。何度も何度も繰り返し行うことで出来るようになってきます。

それでは身体に意識を移して感じてみましょう。

身体の何処で(肉体?皮膚?肉?骨?それとも肉体でない?肉体の内側?表面?それとも肉体の外側(つまり空間)?)
どんなふうに(向きは?流れ方は?速さは?)
どんな感じに(ピリピリ、ふんわり、ピーン)
動いていますか?

このエクササイズの中身は「怒り」を感じた時に、私達の身体の中でどのような変化が起こっているのか感じる事です。何度も行っていると身体のある部分で同じパターンが繰り返されていることが分かります。怒りのエネルギーを知り、理解できれば身体に保つステップに進めます。怒りのエネルギーを周りに放出せずに身体に保ちます。この状態が先に述べた「(1)怒りの感情それ自体を感じる事、(2)怒りのエネルギーによって行動を起こす事、は別」という状態です。そして、(1)の状態を何度も繰り返す事で、回路を変えていきます。そうすると(2)はあなたの選択肢の中に入ります。行動を起こす事も起こさない事も出来ます。

再生した怒りの記憶を繰り返し繰り返し再生して下さい。そして怒りのエネルギーを感じる事を繰り返し繰り返し行って下さい。何度も繰り返す事で、怒りのエネルギーが身体のどこをどのように動いているのか理解できるようになります。

私の場合、怒りのエネルギーは以下のように感じられます。
皮膚に近い部分の身体全部が反応します。皮膚の近くとは、皮膚の内側だけでなく皮膚の数cm外側(肉体の外)も含まれていて、震えるようなワナワナを感じます。そして頭上です。頭頂から10cm程度上のあたり(肉体外の空間)にスースーするような感覚があります。表皮近くは小刻みに揺れ動くだけなのに対して、頭頂の場合は頭の皮膚から頭上に何かが流れ続けている感覚があります。そして、これは両方とも漫画の表現でよく見かける描写です。
私達は人が怒ったイラストを見て意味を理解します。腕や脚がワナワナ震えているイラストや頭上から湯気が出ているイラストです。そして、イラストの意味が理解できるという事は、本当は肉体の外側にある感覚の事を理解しています。

怒りのエネルギーはパワフルなので、これを身体に保持することで別の生産的な事(勉強する、身体を鍛える)に使えるようになってきます。繰り返しますが、この技術を身に着けるには反復練習が必要です。何度も何度も繰り返し練習して、怒りを完全にコントロールして下さい。

それでは、皆さん怒りを生きる力に変えて気持ちの良い人生を送りましょう。


次回の記事は「怒りは何のために存在する?」です。仏教など精神世界の本を読むと「怒りをもって達成できることは、自分の成長を止める事だけだ」などと書かれています。私はそれをずっと信じ切って、怒りを感じる自分を否定してきました。しかし、それは不自然で不健全だと理解した。という話です。

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